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先日のことです。
昔の教え子(Aさん)から相談を受けました。
私、騙されてお金取られたかもしれません。
このやり取りなんですが…
(有名な某SNS)で「チケットがあるなら譲ってほしい」と言われて…
やりとりしてたら、これ詐欺じゃないかって怖くなってしまいました。
大丈夫ですよね?
パニックになっているようでした。
使ったことのないアプリでのやり取りなどで疲れているようです。
(きっと私だって、そうなってしまいます)
相談してくれてよかったよ!
うん!これ詐欺(^O^)!
送金前でファインプレー。
本当にギリギリだったね。
最近、SNSでのイベントチケットのやりとりをきっかけに、PayPalを使った「返金詐欺」と暗号資産ウォレットへの誘導を組み合わせた新しい詐欺手口が急増しています。
「相手が先に送金してきたから安全」「PayPalからメールが来たから大丈夫」と思ってしまう方も多いですが、それは大変危険です。
本記事では、実際のAさんのやりとりをもとにして、不自然なポイントや被害を防ぐための対策を詳しく解説します。
詐欺の流れ(相談してくれた教え子に感謝)
今回のケースは、SNSを通じて海外の人にチケット譲渡を持ちかけられたところから始まります。
手口は次のように進行していました。
- チケットの譲渡を装う
SNS上で「イベントチケットを譲ります(買います)」と声をかけ、取引の信頼感を作ります。 - PayPal等で一部の送金を提案
「会員ランクを上げるため」などの理由で、まず120ドルを送金してきます。
(もちろん実際は振り込まれていません。振込画像も加工されたものです。) - 返金を要求する
「すぐに120ドル返金して」「それから500ドル払うから」と返金を急かします。 - Trust Walletを指定してきた
返金手段として、PayPalではなく暗号資産ウォレットアプリの「Trust Wallet」をインストールさせようとします。 - 偽PayPalメールで混乱させる
Gmailなどのフリーメールから、PayPalを装った偽メールが届き、「返金が必要」と思わせる巧妙な仕組みです。 - とにかく返金を急かしてくる(だって人は焦ると、すぐアホになるから!)
典型的な詐欺の心理操作。「今すぐやって」と言って冷静な判断を奪います。 - アマゾンギフトや暗号資産等で返金してくれとメッセージが来る
送ってしまったら終わり。
(返金手続きや事件化するにも手間と時間がかかる。泣き寝入りする人がほとんど。
不自然なポイント
- PayPal返金なのに、PayPal内で完結せず別アプリ(Trust Wallet)を使わせようとする
- 返金を「今すぐ」と強く何度も何度も急かす
- 送信元がGmailなどPayPal公式ドメイン(@paypal.com)ではない
- 取引の流れが「120ドル送る→返金→500ドル送る」と複雑すぎる

この手口の名称と特徴
今回のケースは、いくつかの詐欺手口を組み合わせた「複合型詐欺」です。
詐欺の種類 | 特徴 | 一致度 |
---|---|---|
PayPal返金詐欺 | 「先に送ったお金を返して」と見せかけて資金を抜く | ★★★★★ |
チケット譲渡詐欺 | SNSで「チケットを譲る」と持ちかけ先払いを狙う | ★★★★☆ |
暗号資産ウォレット誘導型詐欺 | Trust Walletなどを指定し、送金または秘密鍵を盗む | ★★★★★ |
なぜTrust Walletを使わせようとするのか(類似アプリの場合もあります)
Trust Walletは、暗号資産の送金・受取・スワップが可能なウォレットアプリです。
しかし、PayPal返金とはまったく関係がありません。
ここで相手がこれを指定する理由は大きく2つです
- 暗号資産に変換させて資金を抜くため
・「返金はTrust Wallet経由でやって」と誘導し、あなたに送金させる。
・一度送ると、ブロックチェーン送金なので取り戻せません。 - ウォレットを接続させて中身を抜くため
・詐欺師が「Trust Walletを開いてこのリンクに接続して」などと指示してくることも。
・そのリンクはフィッシングサイトで、シークレットキーやリカバリーフレーズを盗みます。
被害を防ぐための対策
- 送金・返金は絶対にしない → 120ドルも500ドルも、一切送らないこと。
- PayPal公式で取引状況を確認 → メール内のリンクはクリックせず、PayPal公式アプリやサイトからログインして確認。
- 偽メールを見抜く → 本物は必ず「@paypal.com」から届きます。
- Trust Walletをインストールしない → 詐欺師にとって、暗号資産は返金されない「最終的な抜き取り口」です。
- 証拠を保存する → メッセージや偽メールは削除せず、警察やPayPalに報告できます。
まとめ
今回の手口は、「PayPal返金詐欺」と「暗号資産ウォレット誘導型詐欺」を組み合わせた新たな詐欺です。
実際のやり取りも見せてもらいましたが、「これは騙されてしまうな」と思うほど巧妙で精巧に作られた内容でした!
もし同じようなメッセージを受け取った場合は、絶対に送金・返金しないことが最も大切です。
不安なときは、PayPal公式サポートに問い合わせるか、消費者ホットライン(188)に相談してください。
仕事と同じで、とにかく一人で抱え込まない!
金融リテラシーと信頼のある人に相談してみること!
Aさんのように私へ相談していただいても構いません。
今回の内容が、あなたや大切な人を守るきっかけになれば幸いです。
また明日も、役立つお金の知識をお届けします!
バイバ〜イ♪

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