この記事は7分で読めます。
住宅を購入するとき、「2人で力を合わせてローンを組もう」と考える夫婦も多いでしょう。
そんなときに選択肢となるのが「ペアローン」です。
夫婦それぞれがローン契約を結ぶため、借入額を増やせるメリットがある一方、契約や返済の複雑さ、将来リスクにも注意が必要です。
本記事では、ペアローンの仕組み・利点・注意点をわかりやすく解説します。
ペアローンとは?
ペアローンとは、主に夫婦2人がそれぞれ名義で住宅ローンを契約し、同じ物件を購入する仕組みです。
単独ローン(1人で契約)や収入合算型(1人の名義で審査時に2人の収入を合算する方式)とは異なり、2本のローン契約が成立します。
したがって、それぞれが借主・債務者として責任を負う点が特徴です。
ペアローンのメリット
- ① 借入可能額が大きくなる:夫婦それぞれの収入を基準に審査されるため、単独ローンよりも借入限度額を高く設定でき、希望する物件の選択肢が広がります。
- ② 住宅ローン控除を2人分受けられる:各自が契約者のため、双方が住宅ローン控除を利用可能。結果として世帯全体での節税効果が最大化します。
- ③ 団体信用生命保険(団信)がそれぞれに適用:どちらかが万が一の場合、その人のローン残高は団信で完済され、残された家族の生活リスクを軽減できます。
ペアローンのデメリット
- ① 諸費用が2人分発生:契約が2本になるため、印紙代・事務手数料・保証料などの諸費用が2倍になります。
- ② 片方が亡くなっても、もう一方の返済は続く:団信で一方のローンは完済されますが、もう一方は残ります。結果的に残された方の負担が増す可能性があります。
- ③ 離婚・退職などのライフイベントで処理が複雑:所有権の分与や残債の再契約など、トラブルが発生しやすく、金銭面・手続面での負担が大きくなります。
- ④ 贈与税リスク:一方の返済をもう一方が肩代わりすると、贈与とみなされるケースも。税務上の注意が必要です。

ペアローンが向いている人・向かない人
| 向いている人 | 向かない人 |
|---|---|
| 夫婦ともに安定した収入がある | どちらかの収入が不安定 |
| 共働きを長く続ける予定がある | 片方が今後退職・育休予定 |
| 将来的なライフイベントが少ない | 転職・引越し・家族計画など変化が多い |
| 生活防衛資金や貯蓄に余裕がある | 緊急時に備えた資金が少ない |
契約前に確認すべきポイント
- 返済シミュレーションを2人分行い、収入減少時でも対応可能かを確認する。
- 契約内容(返済期間・金利タイプ・保証内容)を双方がしっかり理解しておく。
- 相手の返済分を肩代わりする場合の税務リスク(贈与税)を事前に把握する。
- 将来的な転職・育休・介護など、収入変動リスクも踏まえて余裕を持った計画を立てる。
まとめ
ペアローンは、夫婦で協力してマイホームを手に入れる心強い制度です。
しかし「借入額が増える」というメリットの裏には、「リスクも2人分になる」という現実があります。
契約前にしっかり話し合い、ライフプラン全体を見据えたうえで選択しましょう。
安心して暮らせる家を手に入れるためには、冷静な判断と準備が何よりも大切です。
本日もお読みいただきありがとうございました。
家づくりは人生の大きな決断。焦らず、一歩ずつ計画的に進めていきましょう。
それでは、また明日!



コメント