この記事は8分で読むことができます。
「不正ログインを検知」「緊急確認が必要」といった文言のメールやSMSから、見た目が本物そっくりの偽サイトへ誘導され、IDやパスワード、追加認証まで入力した瞬間に盗まれる
――これが、近年報告が増えている“リアルタイム・フィッシング”です。
通常のフィッシングよりも被害スピードが桁違いで、入力した情報がそのまま犯行者に中継され、正規サイトの多要素認証(例:絵文字認証など)まで突破されるのが最大の特徴です。
犯行手口の流れ
- 攻撃者が楽天証券を装い、メールやSMSで偽の「お知らせ」を送る。
- リンク先のフィッシングサイトは本物と酷似。被害者がID・パスワードを入力すると、その情報が即時に攻撃者へ送信される。
- 攻撃者は同時進行で正規サイトにログインを試行。正規側で求められる多要素認証と同じ画面が偽サイト側にも表示され、被害者が入力した認証コードや絵文字がそのまま攻撃者に渡る。
- 暗証番号や追加個人情報の入力まで誘導し、入出金や各種設定変更に悪用される恐れがある。
見分けにくい理由と要注意ポイント
- 見た目が精巧:ロゴ・配色・文言まで巧妙にコピー。違和感がほぼ無い。
- URL確認が要:公式のドメイン(例:
https://www.rakuten-sec.co.jp/
)であるか、必ずアドレスバーで確認する。 - ログイン直後の追加入力を疑う:正規利用では、ログイン直後に暗証番号や過度な個人情報を求められるケースは通常多くない。違和感があれば中断する。
- リンクを踏まない:メールやSMSのリンクからではなく、必ずブックマークや公式アプリ、検索エンジンから正規サイトへアクセスする。

被害を防ぐための実践策(今日からできるチェックリスト)
- 公式URLを自分で入力する/公式アプリから開く(ブックマーク推奨)。
- メールやSMSのリンクは「開かない・ログインしない」。連絡は一旦閉じて、公式ルートで確認する。
- ログイン時のアドレスバーを必ず確認(錠前マークの有無だけでなくドメイン表記まで目視)。
- 使わない端末・ブラウザにはログイン情報を保存しない。パスワードは使い回し厳禁。
- 多要素認証を強化(生体認証や認証アプリ、可能であればパスキー活用)。
- ログイン履歴・入出金履歴の定期確認、通知設定(ログイン通知・出金通知)をオンにする。
- OS・ブラウザ・アプリは常に最新にアップデート。怪しい拡張機能は削除。
「やってしまったかも…」と思ったら
- ただちに正規サイトからパスワードを変更し、二段階認証の再設定・見直しを行う。
- 出金・振替・登録情報の変更履歴を確認し、見覚えのない操作がないかチェック。
- 公式サポートへ連絡して状況を報告。口座の一時ロック等、必要な措置を相談。
- 同じパスワードを使い回していた他サービスも総点検・総変更する。
まとめ:最強の防御は「リンクを踏まない」と「URL確認」
リアルタイム・フィッシングは、偽サイトに入力した情報が即時に犯行者へ中継されるため、被害までの距離が極端に短いのが特徴です。
リンクは踏まない、URLを自分の目で確認する、公式アプリ・ブックマークから入る――この基本を徹底すれば、多くの攻撃は門前で防げます。
日頃から“少しでも違和感があれば一旦止まる”習慣を、あなたとご家族の標準装備にしていきましょう。
本日もお読みいただきありがとうございました。
大切なお金と口座を守るために、今日からできる小さな対策をぜひ一つ実行してみてください。
では、また明日!

コメント