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前回に続き、友人からの質問が来ました。
配偶者が会社員です。
夫婦で副業をする場合、公務員と会社員では副業申請に違いはありますか?
基本は変わらないね。
もしかすると公務員よりも通りやすいかと思う。
情報漏洩や利益相反に注意する点は公務員よりも厳しいかと。
会社員の副業は「OKと言われたら始める」ではなく、就業規則の確認→事前相談→申請→許可→開始が基本動線。
本業への支障や情報漏えい、税務・住民税での思わぬトラブルを避けるため、実務で使える手順を一気に整理します。
1. 就業規則・副業規程を最初に確認
- 確認先:就業規則/副業・兼業規程/情報セキュリティ規程/競業避止・秘密保持の誓約
- 要チェック項目:許可制か届出制か/申請書様式/提出窓口/審査期間/禁止業務(競合他社・顧客接触・深夜業など)
- 労働時間通算:雇用契約の掛け持ちは通算40時間/週等の上限管理が必要(36協定の扱いに注意)
2. 副業内容を具体化(書く前に整える)
- 形態:雇用 / 業務委託 / 個人事業(開業届) / 講演・執筆・クリエイティブ / 小規模EC など
- 業務内容・時間帯・場所:本業の就業時間と重ならない設計に
- 報酬の受け取り方:雇用(給与)か、業務委託(報酬・源泉10.21%)か、売上(事業所得)か
- リスク点検:競業・利益相反の可能性/顧客・取引先への接触の有無/会社資産・機材の利用禁止
3. 上司・人事へ事前相談(短時間でOK)
「本業優先・健康配慮・情報管理」を明確に。住民税の扱い(普通徴収の可否)も人事と方針すり合わせを。
4. 副業申請書の作成・提出
会社様式がなければ、以下を盛り込めば通りやすいです。
- 氏名・所属・役職
- 副業の名称・概要(何を・誰に・どこで・どの時間帯に)
- 形態(雇用/委託/個人事業)・報酬の目安
- 開始予定日・期間・週当たり時間数
- 本業への影響回避策(時間管理・連絡体制・代替要員の想定等)
- 競業しない/機密保持・情報持出し不可の誓約
- (必要に応じ)契約書案・シフト例・利益相反チェック表
※ 虚偽・無申告の開始は懲戒の対象になり得ます。
必ず事前許可を。

5. 審査〜許可(条件付き許可に備える)
- 審査観点:本業への支障/競業・信用毀損/情報セキュリティ/労働時間通算・健康配慮
- 結果:許可・条件付き許可(時間・業務範囲・報酬上限)・不許可
- 不許可時:理由を確認し、時間帯・業務内容・顧客範囲を修正して再申請
6. 許可後の運用ルール(ここで崩れがち)
- 会社の就業時間中は副業をしない(社用PC・社回線・社アカウントの使用禁止)
- 深夜・連続稼働は健康リスク。本業の残業が多い時期は副業量を絞る
- SNS・発信は会社名の無断使用や誤解招く表現を避ける(広告表記・景表法にも配慮)
- 契約・請求・領収の証憑は必ず保存
7. 税金・住民税・社会保険の実務
- 確定申告:給与以外の所得がある/給与が2か所以上 等は原則申告。
業務委託や物販は必要経費を計上し、青色申告の可否も検討。 - 住民税:副業分は普通徴収(自分払い)を希望できる場合あり(会社への通知回避策)。自治体ごとに運用差あり。
- インボイス:副業が課税売上に当たる場合は登録要否を検討。
- 社会保険:原則は本業で加入。雇用の掛け持ちで所定要件を満たすと2以上事業所勤務の届出が必要な場合あり。
よくあるNG例(申請が通らない/後で揉める)
- 無許可で開始、社用PC・社データを利用
- 同業・元顧客への勧誘(競業・引き抜き)
- 就業時間中の副業対応、過度な深夜稼働で本業パフォーマンス低下
- 住民税の扱い・SNSの表記ミスで会社へ通知/クレーム発生
申請書ひな形(要約テンプレ)
【副業許可申請書】 氏名/所属/役職: 副業の名称・内容: 形態(雇用/委託/個人事業): 実施場所・利用機材(社用不使用): 実施曜日・時間帯(週◯時間、就業時間外のみ): 開始日・期間: 報酬見込(月額/件単価): 本業への影響回避策: 競業・利益相反なしの確認: 機密保持・情報持出し禁止の誓約: 添付:契約書案/シフト例/利益相反チェック表
まとめ|「準備8割」で副業は安全に始められる
ルール確認→具体化→事前相談→申請→許可→運用の順番を守れば、ムダな摩擦は大きく減らせます。
税務・住民税・社会保険の実務も早めに押さえておけば、安心して副業のメリットを活かせます。
正しい方法(正攻法)で必ず今よりも豊かになるでしょう!
応援しています。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
またお会いしましょう!

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