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インターネットを使っているとき、突然現れる「エラー画面」や「ロボットではありませんか?」という確認画面。
つい「いつものこと」と思って操作していませんか?
その“いつもの操作”が、実はあなたのパソコンを乗っ取る新しい詐欺の入り口――クリックフィックス詐欺かもしれません。
この記事では、その仕組みや手口、そしてだまされないための対策をわかりやすく解説します。
クリックフィックス詐欺とは?
クリックフィックス詐欺(ClickFix攻撃)は、偽のエラー画面や認証画面を使って、ユーザー自身にウイルスを入れさせるという新しいサイバー詐欺です。
「この手順でエラーを修正してください」「次のキーを押して認証してください」などの指示に従ってしまうと、実はそれがマルウェアを実行する最後の一手になってしまいます。
画面は本物のMicrosoftやGoogleそっくりに作られており、慣れている人でも気づきにくいのが特徴です。
典型的な手口の流れ
- 怪しいリンクや広告から誘導される
「アカウント停止」「ファイルが壊れています」といったメッセージを表示し、焦らせます。 - 偽の修復・認証画面が表示
「次の手順を実行してください」と言いながら、キーボード操作を指示します。 - キーボード操作を実行
たとえば「Windowsキー+R」「Ctrl+V」「Enterキー」など、正規の操作に見せかけてウイルスを実行させます。 - マルウェア感染
クレジットカード情報やログイン情報を盗まれ、遠隔操作・乗っ取りが発生します。
このように、被害者が自ら「ウイルスを実行してしまう」構造になっているのが、この詐欺の恐ろしい点です。
なぜ危険なのか?
- 本物そっくり:正規サイトのロゴや文章を模倣しているため、疑いにくい。
- 自分で操作する:本人の手による実行のため、セキュリティソフトの防御をすり抜けやすい。
- スマホ・Macにも拡大中:Windowsだけでなく、iPhoneやAndroidにも類似攻撃が確認されています。

クリックフィックス詐欺の被害例
- 「修復プログラムを実行しただけ」でクレジットカード情報が流出。
- 「認証エラーを直すため」と操作した結果、SNSアカウントが乗っ取られる。
- 会社の端末で操作し、社内ネットワーク全体が感染。
だまされないための対策
1. 不審な操作指示は無視する
「このキーを押して」「貼り付けて実行してください」といった指示は、詐欺の可能性大。
正規サポートがそのような操作を求めることはありません。
2. 急かされても焦らない
詐欺師は「今すぐ直さないと危険」といった言葉で冷静さを奪おうとします。
少しでも不審に思ったら、一度画面を閉じて冷静に確認しましょう。
3. OS・セキュリティソフトを最新に保つ
古い環境では防御が甘く、被害を受けやすくなります。
アップデートは「めんどう」より「自分を守る習慣」と考えましょう。
4. 「自分は大丈夫」と思わない
経験豊富な人ほど、「正しい手順のはず」と思い込みやすいもの。
ネットの世界では「疑う力」こそ最大の防御です。
まとめ:焦らず、一呼吸おいて判断を
クリックフィックス詐欺は、あなたの「いつもの操作」を利用して侵入する新手の罠です。
焦って指示通りに動く前に、ほんの数秒だけ止まって考えることで、多くの被害は防げます。
インターネットの便利さと同時に、危険も身近になっています。
「慌てず」「調べて」「確認する」――この3つの行動が、あなたのデータと時間を守ります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
また明日!



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