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人生100年時代、資産形成や老後への備えがますます重要になる中で、金融教育の必要性は高まり続けています。
しかし、先進国の中で日本は「金融教育後進国」ともいえる状況にあり、OECDの調査でもその遅れが浮き彫りになっています。
この記事では、日本の金融教育の現状と課題、他の先進国との違いを具体的に比較しながら解説します。
日本の金融教育の現状
- 金融広報中央委員会(2022年)の調査によると、「金融教育を学校等で受けた」人はわずか7%
- 成人の金融リテラシー保有率は43%にとどまり、多くの国民が基本的な金融知識や判断力を持っていない
- 2022年から高校家庭科で「資産形成」授業が必修化されたが、内容は限定的で実用性には課題も
先進国と何が違うのか?
多くの先進国では、金融教育はすでに義務教育レベルから体系的に導入されています。
- アメリカ:1960年代から州ごとに金融教育を導入。クレジットカード、投資、税金まで幅広く扱う。
- カナダ・北欧:国主導でカリキュラム整備。年金、借入、消費者保護など実践的内容を学習。
- イギリス・オーストラリア:小中学校からお金に関する教育が必修。成人向け教育も国家レベルで推進。

国際比較データ
| 項目 | 日本 | 米国・北欧など |
|---|---|---|
| 金融教育の履修率 | 約7% | 15〜20%以上 |
| 成人の金融リテラシー率 | 約43% | 60〜70%台 |
| 教育開始時期 | 近年(2022年~) | 1960年代〜長期間 |
| 教育内容の実践性 | 限定的 | 投資・税金・年金など幅広い |
なぜ日本は出遅れたのか?
- 制度導入が後発:本格導入は2022年からで、長期的な積み上げが不足。
- 文化的背景:「投資=ギャンブル」のようなイメージが根強く、貯金を美徳とする風潮が強い。
- 社会的関心の薄さ:お金の話題は“下品”とされ、学校・家庭で話す習慣があまりない。
- 政策の優先順位が低かった:国や企業による金融教育推進の動きが欧米に比べて鈍かった。
今後の課題と展望
2025年以降、日本でも政府や企業が金融教育の推進に本格的に乗り出す見通しです。
しかし、短期間で他国に追いつくのは難しく、継続的かつ実践的な取り組みが求められます。
- 学校教育の中で金融教育をより深く・具体的に取り入れること
- 社会人向けの金融リテラシー講座・研修の整備
- 生活者一人ひとりが「自分のお金は自分で守る」意識を持つこと
まとめ:日本の金融教育は“これから”が勝負
- 先進国に比べ、日本は金融教育の導入が大きく遅れている
- 背景には制度・文化・社会意識の違いがある
- これからの課題は「継続性」と「実践性」のある学びの場づくり
世界基準の金融リテラシーを目指して、今こそ社会全体で学びの仕組みを再構築する時期に来ています。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
また明日!



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