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「児童手当は中学生まで」と覚えていませんか?
上の子が高校生になったとき、「もう児童手当は終わり」と思った方もいるかもしれません。
実は2024年10月分から、児童手当は高校生年代まで受け取れるようになりました。
所得制限もなくなり、「第3子」の数え方も変わっています。
制度が変わったことを知らないのは、自然なことです。
今から確かめれば、間に合うこともあります。
この記事では、改正前と今の違いを表で並べ、年齢の区切りを学年に置き換えて説明します。
最後に、今からでも申請が必要かもしれない家庭のチェックリストも用意しました。
私は現役の中学校教員で、教育現場16年目です。
現在は育児休業中で、所属機関の承認を得て、学校やPTAで金融教育と詐欺防止の講演を行っています。
中学2校での全校講演で、累計548名に話をしてきました。
ファイナンシャルプランナーとして、金融商品を売らない立場から、制度の事実だけをお伝えします。
結論:児童手当は今、高校生年代まで。所得制限もなくなった。ただし申請しないともらえない
児童手当は、2024年10月分から高校生年代まで受け取れるようになり、所得制限もなくなりました。
ただし申請しないと支給されず、原則さかのぼらないので、対象かもしれない家庭は早めに市区町村(公務員は勤務先)に確認しましょう。
今の児童手当の月額は、3歳未満が15,000円、3歳から高校生年代までが10,000円です。
どちらも、第3子以降は30,000円になります。
ここから、何が変わったのか、学年でどう覚えるか、自分の家庭は申請が必要か、の順に見ていきます。
2024年10月に変わった4つ
2024年10月の改正で、児童手当は大きく4つ変わりました。
国会に出された法律案の概要では、支給期間の延長、所得制限の撤廃、第3子以降の支給額の増額が柱として示されています。
これに、支払いの回数の見直しを加えた4つです。
まずは、改正前と今を1つの表で並べます。
| 項目 | 改正前(2024年9月分まで) | 今(2024年10月分から) |
|---|---|---|
| 対象の年齢 | 中学校修了まで(15歳になった後の最初の3月31日まで) | 高校生年代まで(18歳になった後の最初の3月31日まで) |
| 所得制限 | あり(所得制限限度額以上は特例給付、所得上限限度額以上は支給なし) | なし(所得によらず支給の対象) |
| 特例給付の額 | 一律5,000円 | 所得制限がなくなり、下の月額で支給 |
| 3歳未満の月額 | 15,000円 | 15,000円(第3子以降30,000円) |
| 3歳〜小学校修了の月額 | 第1子・第2子10,000円/第3子以降15,000円 | 10,000円(第3子以降30,000円) |
| 中学生の月額 | 10,000円 | 10,000円(第3子以降30,000円) |
| 高校生年代の月額 | 支給なし | 10,000円(第3子以降30,000円) |
| 第3子の数え方 | 上の子は18歳になった後の最初の3月31日まで数える | 上の子は22歳になった後の最初の3月31日まで数える(世話と生計費の負担がある場合) |
| 支給月 | 年3回(2・6・10月、各前月までの4か月分) | 年6回(2・4・6・8・10・12月、各前月までの2か月分) |
※改正前の金額と支給月は、自治体の公式資料(茅野市・品川区)によります。
① 高校生年代まで延長
改正前は、中学校を終えるまで(15歳になった後の最初の3月31日まで)が支給の期間でした。
今は、18歳になった後の最初の3月31日まで受け取れます。
こども家庭庁のQ&Aでは、これを「高校卒業まで(18歳の誕生日後の最初の3月31日まで)」と言い換えています。
「高校生の子がいるけれど、児童手当はもう終わった」と思っている家庭は、一度確かめてみてください。
② 所得制限がなくなった
改正前は、所得が一定以上だと「特例給付」として金額が減り、さらに上の所得では支給されませんでした。
今は所得制限がなくなり、所得によらず支給の対象です。
「うちは所得が多いから対象外」と覚えている家庭ほど、今の制度を確かめる意味があります。
③ 第3子以降は月30,000円に。数え方も変わった
第3子以降の月額は、0歳から高校生年代まで30,000円になりました。
あわせて、第3子を数えるときの上の子の範囲が、18歳になった後の最初の3月31日までから、22歳になった後の最初の3月31日までに広がりました。
くわしい数え方は、このあとの章で説明します。
④ 支給が年6回に
改正前は年3回、4か月分ずつの支給でした。
今は2・4・6・8・10・12月の偶数月に、前月分までの2か月分が支給されます。
たとえば6月には、4月分と5月分が支給されます。
学年で覚える児童手当
ここからは、現役の中学校教員として、年齢の区切りを学年に置き換えてみます。
制度の言葉では、支給期間は「18歳に達する日以後の最初の3月31日まで」です。
少し難しく見えますが、3月31日で区切るのは、学校の学年と同じ区切り方です。
学校では、4月から翌年3月までを1つの学年として過ごします。
そのため、「18歳になった後の最初の3月31日」は、だいたい高校3年の3月にあたります。
同じように、第3子を数えるときの上の子の区切り「22歳になった後の最初の3月31日」は、だいたい大学4年の3月にあたります。
改正前の区切り「15歳になった後の最初の3月31日」は、だいたい中学3年の3月です。
年齢の区切りと学年の目安
| 年齢の区切り | 学年の目安 | 児童手当(月額) |
|---|---|---|
| 3歳未満 | (学年ではなく年齢で区切る) | 15,000円(第3子以降30,000円) |
| 3歳から、18歳になった後の最初の3月31日まで | だいたい高校3年の3月まで | 3歳から10,000円(第3子以降30,000円)。切り替わる月は市区町村の案内で確認 |
| その翌日から、22歳になった後の最初の3月31日まで | だいたい大学4年の3月まで(進学していなくても同じ) | 支給なし。第3子を数えるときだけ数える(世話と生計費の負担がある場合) |
| 参考:改正前の支給の終わり(15歳になった後の最初の3月31日) | だいたい中学3年の3月 | (今は高校生年代まで延びた) |
学年に置き換えるときの注意
- 制度は学年ではなく、年齢で決まります。学年と年齢の関係は、一人ひとり同じとは限りません。
- 進学しているかどうかは、条件ではありません。
- 迷ったら、市区町村(公務員は勤務先)の案内で確かめてください。
改正前と今を学年で並べると
| 学年の目安 | 改正前 | 今 |
|---|---|---|
| 0歳〜中学3年 | 支給(所得制限あり) | 支給(所得制限なし) |
| 高校1年〜高校3年 | 支給なし(第3子を数えるときは数えた) | 支給 |
| 大学1年〜大学4年くらいの年齢 | 数えない | 支給なし(条件を満たせば、第3子を数えるときに数える) |
| それより上の年齢 | 数えない | 数えない |
中学3年の3月で終わっていた児童手当が、今はだいたい高校3年の3月まで続きます。
高校生の3年間は、子ども1人あたり月10,000円、第3子以降なら月30,000円の対象です。
3歳未満は月15,000円、3歳からは月10,000円で、切り替わる月は市区町村の案内で確かめてください。
「第3子」の数え方
「第3子以降」とは、子どものうち、年齢が上の子から数えて3人目以降の子のことです。
ここで数える子どもには、高校生年代までの子に加えて、22歳になった後の最初の3月31日までの上の子(兄姉等)が入ります。
ただし、子どもが3人以上いても、自動的に第3子として数えられるわけではありません。
上の子を数えるための条件と書類
上の子を数えるには、親などがその子の世話(監護に相当する世話)をし、生計費を負担している必要があります。
国の資料では、大学生に限らず、親などに経済的な負担がある場合に数えると説明されています。
親が生計費を負担していない子は、この条件にあてはまりません。
数えるためには、「監護相当・生計費の負担についての確認書」を出します。
出し方や時期は、お住まいの市区町村(公務員は勤務先)の案内で確かめてください。
計算例:上の子の年齢で月額が変わる
| 子どもの年齢 | 数え方 | 月額の合計 |
|---|---|---|
| 19歳・16歳・10歳 | 19歳が第1子、16歳が第2子、10歳が第3子 | 40,000円(16歳10,000円+10歳30,000円) |
| 23歳・17歳・15歳 | 23歳は数えない。17歳が第1子、15歳が第2子 | 20,000円(17歳10,000円+15歳10,000円) |
※19歳の例は、上の子の世話と生計費を負担していて、確認書を出している場合です。
19歳の子は支給の対象ではありませんが、第3子を数えるときには数えられます。
そのため、10歳の子が第3子になり、月30,000円の対象になります。
一方、23歳の子は22歳になった後の最初の3月31日を過ぎているので、数えません。
2つの例を比べると、いちばん上の子が数えられるかどうかで、月額の合計が20,000円変わります。
上の子が大学生くらいの年齢で、まだ確認書を出していない家庭は、一度確かめてみてください。
今からでも申請が必要かもしれない家庭
2024年10月の改正のときは、新たに申請が必要な家庭がありました。
国が示していたのは、高校生年代の子を育てている家庭(中学生以下の子の分をすでに受け取っている家庭を除く)や、所得上限を超えて児童手当も特例給付も受けていなかった家庭などです。
上の子の世話と生計費を負担していて、確認書を出す必要がある家庭も含まれていました。
2025年3月31日までに申請すれば2024年10月分から受け取れる、という猶予期間がありましたが、この期限はもう過ぎています。
それでも、今から申請すれば、原則として申請した月の翌月分から受け取れます。
次のチェックリストで、あてはまるものがないか確かめてみてください。
今からでも申請が必要かもしれない家庭
- □ 高校生年代の子だけを育てていて、児童手当を受け取っていない
- □ 以前は所得が多くて、児童手当も特例給付も受け取っていなかった
- □ 大学生くらいの年齢の上の子がいて、第3子の加算のための確認書を出していない
- □ 子どもが生まれた、または引っ越した(翌日から15日以内)
- □ 公務員になった、または公務員でなくなった(勤務先と市区町村へ)
→ 今から申請すると、原則「申請した月の翌月分から」です。
→ 迷ったら、市区町村(公務員は勤務先)に聞いてみてください。
1つでもあてはまったら、まずは市区町村の窓口やホームページで確かめるのが近道です。
「うちは対象外だと思っていた」という家庭ほど、確かめる意味があります。
気をつけたいこと
原則さかのぼらない
児童手当は、原則として申請した月の翌月分から支給されます。
申請が遅れると、原則として遅れた月の分は受け取れません。
知らなかった期間の分があとから戻ってくる仕組みではないので、気づいた時点で早めに動くことが大切です。
生まれた・引っ越したら15日以内
子どもが生まれたときは、出生日の翌日から15日以内に、現住所の市区町村に申請します。
里帰り出産などで一時的に住所を離れていても、申請先は現住所の市区町村です。
出生届とは別に児童手当の申請が必要なので、出生届の流れは関連記事も参考にしてください。
初めて受け取る場合は「認定請求書」、すでに受け取っていて金額が増える場合は「額改定認定請求書」で申請します。
ほかの市区町村に引っ越したときは、転入した日(転出予定日)の翌日から15日以内に、転入先の市区町村に申請します。
出生日や転入した日が月末に近くて申請が翌月になっても、翌日から15日以内なら、申請した月の分から支給されます。
公務員は勤務先
公務員の場合、児童手当は勤務先から支給されます。
そのため、子どもが生まれたときの申請先も勤務先です。
公務員になったとき、公務員でなくなったとき、勤務先の官署が変わったときは、翌日から15日以内に、現住所の市区町村と勤務先に届け出ます。
公立学校の教員も公務員なので、このルールにあてはまります。
現況届と財源のこと
毎年6月の現況届は、原則として出さなくてよくなっています。
ただし、市区町村によっては提出を求めることがあるので、届いた案内には目を通してください。
なお、会社員などは2026年4月分の保険料(5月の給与天引き)から、医療保険料とあわせて子ども・子育て支援金の拠出が始まっていて、財源の1つとして児童手当の拡充に充てられています。
子どものためのお金の準備(こどもNISA)は、関連記事で別にまとめています。
よくある質問
Q1. 高校生の子だけでも児童手当はもらえますか?
高校生年代(18歳になった後の最初の3月31日まで)の子は、支給の対象です。
高校生年代の子だけを育てていて、まだ受け取っていない場合は、申請が必要です。
今から申請すると、原則として申請した月の翌月分からの支給になります。
Q2. 大学生の上の子も「第3子」の数え方に入りますか?
22歳になった後の最初の3月31日までの上の子で、親などが世話をし生計費を負担していれば、数えることができます。
大学生に限らず、進学していない子も同じ考え方です。
数えるには、「監護相当・生計費の負担についての確認書」の提出が必要です。
Q3. 申請を忘れていたら、さかのぼってもらえますか?
原則として、さかのぼっては受け取れません。
改正のときにあった「2025年3月31日までに申請すれば2024年10月分から」という猶予期間も、すでに終わっています。
気づいた時点で申請すれば、原則として申請した月の翌月分から受け取れます。
まとめ
児童手当は、2024年10月分から高校生年代まで延び、所得制限もなくなりました。
第3子以降は月30,000円になり、上の子は22歳になった後の最初の3月31日まで数えられます。
年齢の区切りは、だいたい「高校3年の3月」と「大学4年の3月」と覚えると、整理しやすくなります。
ただし、申請しないと支給されず、原則さかのぼりません。
制度が変わったことを知らなかったとしても、今から確かめれば間に合う分があります。
チェックリストに1つでもあてはまったら、市区町村(公務員は勤務先)に確かめてみてください。
出典
- こども家庭庁「児童手当制度のご案内」
- こども家庭庁「もっと子育て応援!児童手当(児童手当制度の改正について)」
- こども家庭庁「児童手当Q&A」
- こども家庭庁「児童手当」
- こども家庭庁「児童手当制度の概要」(PDF)
- こども家庭庁「『第3子以降』のカウント方法について」(PDF)
- こども家庭庁「子ども・子育て支援金制度について」
- 衆議院「子ども・子育て支援法等の一部を改正する法律案の概要」
- 茅野市「児童手当の制度改正(拡充)」(PDF)
- 品川区議会資料「法改正に伴う児童手当事業の変更について」(PDF)
※本記事の情報は2026年10月時点のものです。制度の細かい運用は市区町村によって異なることがあります。
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