PTA講演会の講師料の相場

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PTA講演会の講師料は、検索して出てくる金額と、学校現場の予算感が大きく離れています。結論から言うと、無料または数万円で実施されている講演会が、実際にはたくさんあります。予算が少なくても、打てる手はあります。この記事では、その差がなぜ生まれるのかを整理します。

私は現役の中学校教員で、教育現場16年目です。現在は育児休業中で、所属機関の承認を得て、学校やPTAで金融教育と詐欺防止の講演を行っています。中学2校での全校講演で、累計548名に話をしてきました。

私は依頼される側であると同時に、学校の内側で外部講師をお願いする側の仕事も見てきました。お金がどこから出て、誰が決裁するのか。その動きを知っている立場から書きます。

なぜ検索しても、本当の相場が出てこないのか

「PTA 講演会 講師 料金 相場」と検索すると、上位に出てくるのはほとんどが講師派遣会社のページです。

そこには、こうした価格帯が書かれています。

講師の層公表されている目安
教育・人権・福祉などの分野で活動する専門家30万円程度まで
知名度と実績を兼ね備えた講師30万円から60万円程度

別の情報では、講師料の目安は10万円あたりから始まり、専門性や話題性のある方では50万円以上になる場合もある、と説明されています。

これを見たPTA役員の方は、たいてい固まります。年間のPTA予算を知っていれば、当然の反応です。

ここで大切なのは、この金額が間違っているわけではない、ということです。

相場は、ひとつではありません

実は、講演の世界には性質の違う市場が並んで存在しています。ひとつは企業の研修や大きな大会など、予算がしっかり組まれている場です。派遣会社が示す金額は、主にこちらの相場です。もうひとつが、学校やPTA、公民館といった地域の場です。こちらは予算の規模がまったく違います。

検索結果に出てくるのは前者ばかりです。後者の情報は、そもそもインターネット上にあまり出てきません。役員の方が毎年入れ替わるため、知見が学校の外へ共有されにくいのです。

相場が分からないのは調べ方が悪いからではありません。情報の出方が偏っているのです。

学校とPTAのお金は、どこから出ているのか

費用の話をする前に、お金の出どころを整理しておきます。ここを知らないまま講師を探すと、話が進まなくなります。

PTA会費から出す場合

もっとも多いのがこの形です。ただしPTA会費は保護者から集めたお金で、使い道は総会で承認された予算の範囲に限られます。

研修費や成人教育費といった費目に、あらかじめ講演会の費用が組まれている場合があります。まずは前年度の決算書を見てください。前年にいくら支出したのかが、いちばん確かな出発点になります。

学校の予算から出す場合

学校にも、外部の方に謝金をお支払いするための予算があります。ただし、金額も費目も自治体ごとに定められており、学校が自由に決められるものではありません。

また、年度のはじめに使い道がおおむね決まっていることが多いため、年度途中の相談は難しくなりがちです。ここは正直に書いておきます。学校側に「お金を出してほしい」と伝えるなら、早い時期ほど話が通りやすくなります。

自治体の補助や事業を使う場合

市区町村や都道府県が、家庭教育に関する学習会への補助や、講師の派遣事業を持っている場合があります。名称は自治体によってさまざまです。

金額や条件は地域差が大きいため、この記事では具体的な数字を書きません。お住まいの自治体の教育委員会や生涯学習を担当する課に問い合わせるのが、いちばん確実です。

講師料のほかに、かかるお金があります

ここは見落とされやすいところです。予算を組むときは、講師料だけを見ていると足りなくなります。

交通費と宿泊費

交通費や宿泊費は、実費をお支払いする性質のものです。そのため、講師料とは別に精算するのが一般的です。

遠方の方なら、この金額が講師料と同じくらいになることもあります。問い合わせの段階で確認しておきましょう。

資料代と印刷代

参加者に配る資料を、誰が何部用意するのか。講師が用意する場合は実費が発生することがあります。学校で印刷するなら、原稿をいつまでにいただくかを決めておきましょう。

会場に関する費用

学校の体育館や多目的室を使うなら、通常は費用がかかりません。ただし外部の施設を借りる場合や、プロジェクターやマイクを借りる場合は、別途費用がかかることがあります。

源泉徴収という実務

これは知らない方が本当に多いので、はっきり書いておきます。

個人の講師に謝礼をお支払いする場合、その支払いは原則として源泉徴収の対象になります。つまり、決めた金額をそのままお渡しするのではなく、所定の税額を差し引いてお支払いし、差し引いた分は納付する、という手続きが発生します。

一方、交通費や宿泊費のような実費をお支払いするものは、その扱いが異なります。

PTAという組織がこの手続きの義務を負うかどうかは、組織の形や支払いの実態によって判断が分かれます。金額が大きくなる場合や、判断に迷う場合は、事前に所轄の税務署へ確認しておくと安心です。「講師料5万円」と決めたあとで手続きの話が出てくると、双方が困ります。

予算がほとんどなくても、頼める先があります

ここがこの記事でいちばんお伝えしたい部分です。「予算がないから講演会は無理」と結論を出す前に、確認していただきたい窓口があります。いずれも、講師の派遣に費用がかからない仕組みです。

都道府県の金融広報委員会

各都道府県に、金融広報委員会という組織があります。公民館やPTAの学習会、学校の授業、教職員向けの研修などに、金融広報アドバイザーなどの講師を無料で派遣する事業を行っています。

お金の使い方、家計の管理、詐欺への注意といったテーマを扱っています。テーマ選びの段階から相談に応じてくれる委員会もあります。

消費生活センターの出前講座

都道府県や市区町村の消費生活センターも、講師を派遣する出前講座を行っています。

自治体によっては、PTAや自治会などの任意団体が申し込むための様式と、学校が生徒向けに申し込むための様式が、それぞれ用意されています。悪質商法、契約のトラブル、インターネットやSNSをきっかけとしたトラブルなど、扱えるテーマの一覧を公開している自治体もあります。

自治体の出前講座

教育委員会や生涯学習を担当する課が、職員や登録講師を派遣する制度を持っている場合があります。テーマの一覧が公開されていることが多いので、まずは自治体名と「出前講座」で調べてみてください。

企業や団体が実施している安全教室

通信事業者などが、スマートフォンやインターネットの安全な使い方について、学校向けの教室を実施しています。教材と講師の派遣に費用がかからないものもあります。ただし、外部施設を使う場合の会場費は主催者負担になることがあります。

無償や低額で引き受けている個人の講師

そして、個人で活動している講師の中にも、学校やPTAからの依頼については無償、または交通費などの実費のみで引き受けている方がいます。私自身もそのひとりです。

こうした方は派遣会社に登録していないことが多く、検索の上位には出てきません。地域の教育委員会や、近隣校のPTAに聞いてみると、名前が挙がることがあります。

料金より先に、確認したいことがあります

金額の話は分かりやすいので、つい最初に聞きたくなります。ですが、講演会がうまくいくかどうかを決めるのは別のところです。

  • 内容を、こちらの状況に合わせて調整してもらえるか
  • 持ち時間は何分か。質疑の時間を含むのか、別なのか
  • 準備するもの(プロジェクター、スクリーン、マイク、机、電源)は何か
  • 事前の打ち合わせをしてもらえるか。方法は対面か、オンラインか
  • 資料は誰が何部用意するのか
  • 写真撮影や録画をしてよいか
  • 当日、何分前に来ていただけるか

とくに一つ目が重要です。同じテーマでも、対象が生徒なのか保護者なのか、学年はいくつか、何が課題だと感じているのかで、話す内容はまったく変わります。

ここを調整してもらえる講師かどうかは、料金よりも満足度に効きます。決まった話を決まったとおりに話すだけなら、動画を見てもらうのと変わりません。

依頼から当日までの流れ

おおまかな流れを整理しておきます。

  1. 校内やPTA内で、目的と対象、おおよその時期を決める
  2. 予算がいくら使えるかを確認する(前年度の決算書が参考になります)
  3. 候補となる講師や窓口を探す
  4. 問い合わせをする。この段階で日程と費用の目安を確認する
  5. 管理職やPTA役員会に諮り、承認を得る
  6. 日程を確定し、依頼の文書を出す
  7. 事前の打ち合わせを行う(内容、機材、当日の流れ)
  8. 案内を配布し、出欠や参加人数を把握する
  9. 当日
  10. お礼と、アンケートなどの振り返り

時期については、ひとつ知っておいていただきたい現実があります。学校の年間行事計画は、前の年度のうちに固まっていきます。年が明けたころから、翌年度の予定が組まれ始めるイメージです。そのため「来月お願いしたい」という相談は、内容よりも先に日程で止まってしまうことが少なくありません。早く動くほど、選択肢が広がります。

やってはいけないこと

無償が当たり前だと考える

無料で引き受けている講師がいるのは事実です。ですが、それはその方の判断であって、当然のことではありません。

準備には時間がかかっています。移動もしています。「無料でお願いできますよね」という前提で話を始めるのは、避けたいところです。予算がないなら、それを正直に伝えたうえで相談するほうが、話は前に進みます。

金額の話を後回しにする

気まずいので最後に回したくなりますが、これは双方にとってよくありません。

「お気持ちで結構です」と言われても、こちらから金額を提示しましょう。予算の上限を先に伝えておけば、講師の側も判断できます。あとから食い違うほうが、はるかに気まずくなります。

参加者の状況を伝えない

「金融教育をお願いします」だけでは、講師は何を話せばよいか分かりません。学年、人数、これまでに扱った内容、保護者から出ている声。こうした情報があるほど、その学校に合った話ができます。

まとめ

要点を3つに整理します。

  1. 検索で出てくる金額は、主に企業向けなど別の市場の相場です。学校やPTAの現場とは、前提が違います。
  2. 費用は講師料だけではありません。交通費、資料代、会場に関するもの、そして源泉徴収という実務があります。予算は総額で組んでください。
  3. 予算が少なくても、頼める先はあります。金融広報委員会、消費生活センター、自治体の出前講座、企業の安全教室、そして個人で無償や低額で引き受けている講師です。

よくある質問

Q1:予算が2万円しかありません。講演会は難しいでしょうか。

難しくありません。この記事で挙げた無料の窓口を使えば、講師の派遣に費用がかからない場合があります。まずは自治体の消費生活センターや、都道府県の金融広報委員会に問い合わせてみてください。個人の講師に依頼する場合も、予算の上限を正直に伝えて相談する方法があります。金額が合わなければ断られるだけで、失礼にはあたりません。

Q2:謝礼はどのように渡すのがよいですか。

現金を封筒に入れてお渡しする方法と、後日に口座へ振り込む方法があります。どちらでも構いませんが、どちらにするかを事前に伝えておきましょう。あわせて、領収書が要るかどうか、源泉徴収の扱いをどうするかも、当日より前に決めておいてください。当日その場で相談を始めると、講演の直前にお互いが落ち着かなくなります。

Q3:講師が見つからないときは、どうすればよいですか。

探す順番を変えてみてください。「誰に頼むか」から入ると行き詰まりやすいので、「何を解決したいか」から入ります。テーマが決まれば、それを扱っている公的な窓口が見つかります。自治体の出前講座の一覧は、テーマから逆に探せるようになっていることが多く、企画を考える材料にもなります。

それでも決まらないときは、近隣の学校のPTAに、これまで誰に依頼したかを聞いてみてください。地域の中に記録として残っていることがあります。

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学校・PTAでの講演をご検討の方へ

現役の中学校教員として、これまで548名の生徒・保護者・教職員に 金融教育と詐欺防止の講演を行ってきました。 2027年度までは、原則無償(交通費等の実費のみ)でお引き受けしています。

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今日の育児日記(その224)

【 男性教職員 が 夫婦同時3年育休 224】

本日も舞台はベビーサークル😊

見てて!うまくなったよ❗️

と言わんばかりに四つん這いからの前後運動✨

ずいぶん大きくなったなと幸せを感じる毎日です🎶

次の世代の選択肢をできる限り増やしたい。

今日も育児に奮闘するアナタを応援しています!

毎日金融教育更新と発信し、地道に教育現場へ金融教育を普及させていきます。

売る商品を持たない立場での金融教育を。

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