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外部講師への依頼は、最初のメールに6つの項目を書くだけで、ぐっと話が進みやすくなります。断られる原因の多くは、内容ではなく情報不足です。この記事では、そのままコピーして使えるメール例文と、校内で承認を得るための説明のしかたを整理します。
私は現役の中学校教員で、教育現場16年目です。現在は育児休業中で、所属機関の承認を得て学校やPTAで講演を行っています。中学2校での全校講演で、累計548名に話をしてきました。
この記事の視点は、少し特殊です。私は依頼される側であると同時に、学校の内側で外部講師をお願いする側の実務も見てきました。依頼のメールを送る側の気持ちと、受け取る側が何を見て判断しているか。その両方から書きます。
なぜ、依頼のメールは書きにくいのか
「外部講師を呼びたいけれど、メールが書けない」という声をよく聞きます。文章力の問題ではありません。理由は3つあります。
ひとつめは、前例がないことです。前年度の役員が誰にどう依頼したのか、記録が残っていないことが多いのです。
ふたつめは、校内でまだ何も決まっていないことです。日程も予算も未定の段階で問い合わせることになるため、確定的なことが書けません。
みっつめは、断られるのが怖いことです。だから、あいまいに書いてしまいます。
ところが、そのあいまいさが逆効果になります
受け取る側にまわると、これがよく分かります。
たとえば「講演をお願いできますでしょうか。詳細は追ってご連絡いたします」というメールが届いたとします。丁寧ですが、受け取った側は返事に困ります。
いつなのか。何分話すのか。誰に向けて話すのか。何を求められているのか。何ひとつ分からないため、引き受けられるかどうかを判断できないのです。
結果として「日程が分かりましたらご連絡ください」という返信になり、そこで止まります。断られたわけではないのに、話が進まなくなります。
解決策は「決まっていないと書く」ことです
ここが、この記事でいちばんお伝えしたい点です。
多くの方は、決まっていないことを書かないようにします。ですが、正しいのは逆です。決まっている範囲をすべて書いたうえで、決まっていないことは「未定です」と明記してください。
「日程は校内で調整中です」「予算は確定していません」と書いてあれば、受け取った側は、その前提で検討できます。あいまいさが消えるだけで、返事がしやすくなります。
最初のメールに書く6項目
最初の問い合わせに入れておきたい項目は、次の6つです。
- 学校名・団体名と、依頼者の立場(PTAの担当か、学校の担当か)
- 対象(学年、生徒向けか保護者向けか、教職員が入るか)
- おおよその人数
- 希望日時(候補を複数出せると進みやすくなります)
- 話していただく時間の長さ(質疑を含むかどうかも)
- 目的と課題感(なぜ今このテーマなのか)
とくに6番目が大切です。ここが書かれているかどうかで、当日の内容がまったく変わります。
「金融教育をお願いします」だけでは、講師は何を話せばよいか分かりません。一方、「スマートフォンをきっかけとしたトラブルが校内で話題になっている」と書いてあれば、その学校に合わせた話ができます。
加えて、会場の設備(プロジェクター、スクリーン、マイク、電源の有無)も書いておくと、打ち合わせが一往復減ります。
なお、4番目の「予算」をどう見積もればよいか分からない場合は、先に相場を押さえておくと書きやすくなります。PTA講演会の講師料の相場で、学校・PTAの現場に即した金額の考え方を整理しています。
そのままコピーして使えるメール例文
例文1:はじめての問い合わせ
件名:講演のご依頼について(◯◯市立◯◯中学校PTA)
◯◯様
突然のご連絡を失礼いたします。◯◯県◯◯市立◯◯中学校のPTAで、研修担当をしております△△と申します。
このたび、保護者向けの研修会で講演をお願いできないかと考え、ご連絡いたしました。
現時点で決まっている内容は、以下のとおりです。
- 対象:本校の保護者(教職員も参加予定です)
- 人数:80名程度
- 希望日時:◯年◯月◯日(土)の午前中、もしくは◯月◯日(土)の午前中
- 時間:質疑を含めて60分程度
- 会場:本校体育館(プロジェクター、スクリーン、マイクがございます)
- 目的:スマートフォンをきっかけとしたトラブルが校内で話題になっており、家庭でどのように話せばよいかを保護者が知りたいと考えています
なお、日程と予算につきましては、現在校内で調整中です。予算は◯万円程度を想定しておりますが、確定ではありません。この点もあわせてご相談させていただけますと幸いです。
ご多用のところ恐れ入りますが、ご検討いただけるかどうかだけでも、お聞かせいただけますでしょうか。
△△(◯◯中学校PTA 研修担当)/連絡先:◯◯◯
例文2:日程が決まったあとの確認
件名:◯月◯日の講演について(事前確認のお願い)
◯◯様
お世話になっております。◯◯中学校PTAの△△です。
先日はご快諾をいただき、ありがとうございました。当日の内容について、以下のとおり確認させていただきます。
- 日時:◯年◯月◯日(土)10時00分から11時00分(開場9時30分)
- 会場:本校体育館(正面玄関にて受付いたします)
- 対象・人数:保護者および教職員 85名(前日時点の見込み)
- お話しいただく時間:50分+質疑10分
- ご用意するもの:プロジェクター、スクリーン、有線マイク、演台、電源
- 資料:当日配布分は本校で印刷いたします。原稿を◯月◯日までにお送りいただけますと助かります
- 謝礼:◯◯円(当日、現金にてお渡しいたします)と交通費実費
- 写真撮影:広報誌に掲載する可能性があるため、撮影の可否をご教示ください
ご不明な点や、変更のご希望がありましたらお知らせください。事前の打ち合わせをご希望の場合は、オンラインでも対応いたします。
当日はどうぞよろしくお願いいたします。
△△(◯◯中学校PTA 研修担当)/当日連絡先:090-◯◯◯◯-◯◯◯◯
いつまでに動けばよいか
ここは、教員でなければ分かりにくい部分です。
学校の年間行事計画は、前の年度のうちに固まっていきます。年が明けたころから、翌年度の予定が組まれ始めるイメージです。
つまり、翌年度に講演会を開きたいなら、その前の1月から3月ごろに動き出しておくと、話が通りやすくなります。この時期を過ぎると、日程を入れる場所がなくなっていることがあります。
「来月お願いしたい」という相談が難しいのは、講師の都合だけが理由ではありません。学校の中に、その日程を入れる余地がないのです。
依頼から当日までの流れ
- 目的と対象、おおよその時期を決める
- 使える予算を確認する(前年度の決算書が参考になります)
- 候補となる講師や窓口を探す
- 問い合わせをする(この段階では未定があって構いません)
- 管理職やPTA役員会に諮り、承認を得る
- 日程を確定し、依頼の文書を出す
- 事前の打ち合わせを行う
- 案内を配布し、参加人数を把握する
- 当日
- お礼と、アンケートなどの振り返り
校内で承認を得るには
外部の方を学校に招くには、管理職の了解が要ります。ここでつまずく方が多いので、内側の視点で書いておきます。
管理職が気にしているのは、この5点です
- 主催はどこか(学校なのか、PTAなのか)
- 費用はどこから出るのか
- 授業時数や他の行事に影響しないか
- 内容が中立か(特定の商品、団体、政治的な主張に偏っていないか)
- 当日の安全と、写真や個人情報の扱いはどうするか
反対されるとしたら、講師が悪いからではありません。この5点が説明されていないからです。
逆に言えば、この5点を先回りして書いた紙を1枚用意すれば、話は早く進みます。講師の経歴、過去の実施実績、当日の流れ、費用の出どころ。これらをA4で1枚にまとめて持っていってください。
中立性の説明は、具体的に
お金に関するテーマでは、ここを気にする管理職が多いです。「特定の金融商品や金融機関を紹介する内容ではない」と、はっきり書いておきましょう。
講師側にも、事前に確認しておくと安心です。当日のスライドを見せてもらえるかどうかを聞いてみてください。断られることは、まずありません。
断られたときの受け止め方
断られることはあります。そして、その理由の多くは、あなたの依頼の内容とは関係がありません。
- その日に先約がある
- 本業の都合がつかない
- 希望されているテーマが専門から外れている
- 移動の距離が難しい
受ける側として言えるのは、断るときはこちらも心苦しい、ということです。丁寧なメールをいただいているほど、その気持ちは強くなります。
ですから、断られたら「日程が合えば」なのか「テーマが合わない」のかを、一度うかがってみてください。前者なら、別の候補日や翌年度で実現することがあります。
そして、断られたメールにもお礼を返しておきましょう。数年後に、そのやり取りから話がつながることがあります。
やってはいけないこと
日程だけ押さえて、内容を当日任せにする
忙しいと、つい「あとはお任せします」となりがちです。ですが、それでは学校の状況と話がかみ合いません。10分でよいので、事前に打ち合わせの時間を取ってください。
費用の話を最後に回す
気まずいので後回しにしたくなりますが、最初のメールで触れておくほうが親切です。「予算は◯万円程度を想定していますが確定ではありません」と書けば、講師の側も判断できます。
複数の講師に同時に打診して、返事を放置する
候補を複数持つこと自体は問題ありません。ただし、決まった時点で、お断りする方へ連絡を入れてください。予定を空けて待っている場合があります。
当日の連絡先を書かない
意外と多い抜けです。当日の朝に電車が止まることもあります。携帯電話の番号など、当日つながる連絡先を事前に交換しておきましょう。
まとめ
- 依頼のメールは、決まっていることをすべて書き、決まっていないことは「未定」と明記します。あいまいにするより、そのほうが話が進みます。
- 最初のメールには6項目を入れてください。学校名、対象、人数、希望日時、時間の長さ、そして目的と課題感です。
- 翌年度に開きたいなら、前の年度の1月から3月ごろに動き出すと、日程を確保しやすくなります。
よくある質問
Q1:メールの宛先が分かりません。どこに送ればよいですか。
個人で活動している講師なら、ウェブサイトの問い合わせフォームや、公開されているメールアドレスが窓口になります。公的な窓口(自治体の出前講座、消費生活センター、都道府県の金融広報委員会など)を利用する場合は、申込書の様式が用意されていることが多いので、その手順に従ってください。
いずれの場合も、最初の連絡で6項目を伝えておくと、その後のやり取りが短くなります。
Q2:管理職に相談する前に、講師へ問い合わせてもよいのでしょうか。
順番は学校によって異なります。校内のルールを、まず担当の先生に確認してください。
一般的には、「こういう方に頼めそうです」という材料があったほうが、校内の話は進みやすくなります。その場合は、問い合わせの段階で「校内で調整中です」と書き添えておけば、講師の側も状況を理解できます。
Q3:謝礼を提示するとき、どのような書き方が失礼になりませんか。
金額をはっきり書くことは、失礼にあたりません。むしろ「お気持ちで結構です」のほうが、受け取る側は困ります。
「予算の都合上、◯万円を想定しております」「交通費は別途実費でお支払いいたします」と、事実として書いてください。金額が合わなければ、その時点でお互いに判断できます。あとから食い違うより、はるかに良い進め方です。
金額そのものの決め方については、PTA講演会の講師料の相場で、交通費・資料代・源泉徴収まで含めた総額の組み立て方を解説しています。
学校・PTAでの講演をご検討の方は、実績一覧をご覧ください。
学校・PTAでの講演をご検討の方へ
現役の中学校教員として、これまで548名の生徒・保護者・教職員に 金融教育と詐欺防止の講演を行ってきました。 2027年度までは、原則無償(交通費等の実費のみ)でお引き受けしています。
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今日の育児日記(その226)

【 男性教職員 が 夫婦同時3年育休 226】
久しぶりの教員の食事会に参加させていただきました😊
うちの娘とほぼ変わらない子育て世代の教師も✨
やはり親が願うことは1つ
「我が子が幸せな人生を歩めるように🎶」
より一層、兼業している「金融教育」を推進していかなくてはと、今の自分に出来る事を我武者羅に💡
次の世代の選択肢をできる限り増やしたい。
今日も育児に奮闘するアナタを応援しています!
毎日金融教育更新と発信し、地道に教育現場へ金融教育を普及させていきます。
売る商品を持たない立場での金融教育を。
そして、とにかく一人でも多く「お金」で困らない人生の手伝いを。



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